葛藤の日々 [ひとり言]
風薫る5月も直に終わり、そろそろ雨の季節。
日に日に、その色を変えて行く山々を見るにつけ、
時間がとどまることなく移ろっているのだと、感じる毎日。
庭先の ヤマボウシの花が満開
不便な田舎暮らしも、
もう・・・、というか、 やっと・・・、というか、 既に2ヶ月以上・・・。
母とふたりだけの生活には、広過ぎる位の家に居ると言うのに、
どこか窮屈で、何故だか落ち着かなくて、
過ぎて行く時間も、 ゆったりなんだか、 早足なんだか分からなくなるくらい、
宙ぶらりんな、おかしな状態のままの私の横を、淡々と流れて行く。
風に揺れる木々のザワザワした葉音と、その下を流れる川のせせらぎ、
家の周囲から聴こえてくる 様々な野鳥の美しい鳴き声、等々・・・、
こんなに 贅沢過ぎる程 のどかな時の中に身を置きながらも、
私の心の中は、 いろ~~んな想いが入り乱れて、
サボテンのように、トゲトゲしているのを、自分でもイヤと言うほど感じる。
出るのは ため息ばかり・・・。
結局、 母を私の所に連れて行くのは、 雪に閉ざされる冬の間、だけと、
それだけは、何としても母を納得させて、連れて行くつもりでいるけれど・・・、
果たして、どうなることやら。
それまでの間は、 私がここと自分の家を行ったり来たりする・・・、 ことに、
というか、 そうせざるを得ない状況下で・・・。
致し方の無い事、と頭の中では解っているのに、
時々、私の心が わぁ~~~~っと 大声をあげて暴れ出す。
その矛先が、ノー天気(ではないのでしょうが・・・)な母や、都内に住む下の弟に向いてしまい、
その度に 後味の悪さを感じながらも、 また同じことの繰り返しで、
こういう生活、一体いつまで続けなければならないのだろうか・・・?と、
眠れない夜に、思いを巡らす。
それにしても、 ここは、本当に不便!
車なしでは、絶対に生活して行けない、そういう僻地だから、
免許を持たない私は、 いわゆる“買い物弱者”。
歩いて数分の所にあったはずの JAのスーパーは とうに無くなり、
1番近いスーパーに行くのには、バスを利用しなくてはならないのに、
そのバスも、利用者が殆ど無い為、1時間に1本程度。
そういう諸事情を把握している娘たちが、早々とco-opとネットスーパーに登録してくれたお陰で、
日々の生活に必要な食料品や日用雑貨など、最低限の事は、どうにかこうにか事足りているけど、
何しろ、 とにかく、 全てにおいて不便!!!
これでは、 私自身のストレスが たまる一方で、
先ずは、 ネットが使えるようにしなくては! と、
テザリングが出来るように、長年慣れ親しんだ(笑)ガラケーを手放し iPhoneに・・・
これまで特に、ネットに依存していた訳ではないのだけれど、
こちらに来てからは“使えない”ことのストレスが かなりあったので、
日々の暮らしに欠かせないものになっているのを、改めて感じた。
この地に生まれ、育った私だけれど、
ここで過ごした時間よりも 遥かに長い時間を他で過ごしている訳で、
今更、 ここに馴染める訳が無いじゃない・・・、 と
親戚やご近所様の、様々な声に耳を傾ける、というか、浴びる中で、
心の中では反発だけがどんどん膨らんで、
そんな行き場の無い想いを抱えながら、
未だに “これっ!” という答えが見つからずに、
今日もまた、 暮れて行く・・・。